Anti-Mullerian Hormone(AMH)の体外受精における胚発育の影響について
Influence of Anti-Mullerian Hormone(AMH)on embryo growth on IVF
医療法人社団 徐クリニックARTセンター
伊藤真理 清須知栄子 渋谷智子 藤澤弘子 徐東舜
- 【目的】
- 近年、Anti-Mullerian Hormone(以下AMH)が、新たな卵巣予備能の指標として注目されている。
そこで今回我々は、体外受精実施者を対象にAMHを測定し、体外受精での胚の発育や成績にどのような影響を及ぼすのかを検討した。
- 【対象】
- 2010年7月1日〜2011年6月30日の間に、当院で初回体外受精を実施した126症例を対象とした。
- 【方法】
- AMHの測定結果から対象を以下の4群に分類した。
A群:AMH測定値が0〜10pM未満
B群:10以上20pM未満
C群:20〜30pM未満
D群:30pM以上
症例数は33、38、25、30症例であった。
各群の平均年齢は36.8±4.4、34.2±3.6、34.8±3.4、33.4±3.4歳であり、平均FSH(月経3日目)は8.4±4.6、7.1±1.7、7.0±1.8、6.1±1.3mIU/mlであった。
これら4群に対し、平均採卵個数、受精率、胚盤胞形成率、良好胚盤胞形成率(3BB以上)、胚利用率(凍結胚個数/採卵個数)、一症例あたりの良好胚盤胞形成個数を調べ、比較検討した。
- 【結果】
- A、B、C、D各群の成績は以下の通りであった。平均採卵個数は4.3±2.5、7.6±4.0、8.6±3.3、13.8±8.4個であった。受精率は、67.5%、64.6%、67%、59.0%で差は認められなかった。胚盤胞形成率は、48.2% 、57.3%、68.7%、57.9%で、C群が他の群より有意に高かった。良好胚盤胞形成率(3BB以上)は、25.3% 、31.1%、35.1%、24.9%であり、C群はD群に対し有意に高かった。一症例あたりの良好胚盤胞形成個数は0.6、1.3、1.9、1.9個でありC群・D群で他の群より高い傾向が見られた。
- 【結語】
- AMH測定値は受精率には影響しなかったが、測定値が20〜30pM(C群)で、胚盤胞形成率が有意に高い値を示し、この値での体外受精の胚発育は最も良好であった。